2018/11/18

役所の社会保険調査の実態とは?

先日、社長から「どうやら役所関係の調査があるみたいだけど、どうしたらいい?」と相談がありました。
年金機構からの通知書を確認すると「社会保険の定期調査」です。
というわけで先週は、年金機構が実施する社会保険の定期調査に立ち会ってきました。



この調査は一定年数ごとに定期的に実施される調査です。きちんと手続きしていれば、特に恐れる必要もありません。

今回の担当者と挨拶した後、就業規則を渡しました。これは、調査対象の会社の所定労働時間数を把握するためです。

ただ、こちらの会社では、変形労働時間制度の導入をしています。1日の所定労働時間数が一般的な8時間ではなく、変形制度は所定時間を年間通して変更することが可能なシステムです。この説明にいつも時間を要するのですが、今回の担当者は変形制適用の旨を伝えるとすんなりと次のチェックに入っていました。



 
 ”お、年金機構の職員さんなのに労働法をちゃんと勉強しているんだな”

珍しいですね。ほとんどの職員さんがここで詳しい説明を求めてくるのに。
 
続いて、賃金の締日・支払日、昇給月、賞与支払月、直近の源泉納付書、賃金台帳の順にチェックしていきます。

この社会保険の定期調査でチェックされるポイントは次の3つです。

1.非常勤役員の実態を把握し社会保険加入対象か否か?
2.パートを含め社会保険未加入の有無をチェック
3.月額変更が正しく処理されているかをチェック  


社会保険加入か否かの基準は、会社の所定労働時間を関係しており、正社員の所定労働時間の3/4(1日、1週間、1ヶ月)以上か否かを確認していきます。(非常勤役員は除く)
正社員の所定労働時間がキモとなるので、最初に就業規則で確認するんですね。

あまり知られていませんが、パートさんなどの週の所定労働時間数を5時間以上延長し、社会保険適用の取り組みをする企業には助成金(社保加入1人当たり19万~24万)が支給されます。   会社の人手不足の解消のため、パートさんを戦力化する取り組みとして所定労働時間を延長し社会保険に加入させる場合は助成金活用を検討するといいと思います。 

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