2025/7/6

年収シミュレーションで賃金移行

ここ最近、人事評価制度設計に関する仕事が続いているので、人事制度モードに入っています。

うちの制度の特徴は、経営計画から社員の成長を支援する新しい評価制度と将来の給与が見える賃金制度です。

次のステップは「年収の見える化」

評価と賃金制度ができたら次は、「で、自分の年収はどうなるのか?」という社員の最大の関心に応える番です。


ここで必要なのが、シミュレーションです。

  • 現行の給与体系
     基本給・諸手当・夏冬の賞与を合算した年収

  • 移行後の新体系
     新基本給・新手当・新賞与を合算した年収

これらを並べて比較することで、社員一人ひとりが「自分の将来」に具体的なイメージを持てるようになります。

賞与は「会社業績 × 評価結果」で決まる

賞与は、前年度の会社業績と評価結果に基づいて分配される仕組みです。

今回は、シミュレーションなので社員全員が「平均評価=B評価」だった場合を想定し、賞与を試算します。

会社が出せる賞与原資がどれだけで、どのように分配されるか──

このリアルな数字は、社員の信頼を得るうえで重要な材料になります。

経営者が押さえておきたい「3つの数字」

新しい賃金体系に移行する前に、経営者として確認しておくべき数字があります。

  1. 年間の人件費総額はどれだけ増減するのか?

  2. 賃金移行時にだれがどのくらい年収が上がるのか?

  3. 逆に、だれがどのくらい下がるのか?



これらを明確にしておくことで、制度移行後に調整給や移行緩和導入措置を検討し、不安や誤解を未然に防ぐことができます。

成功のカギは「個別面談」にあり

制度導入で一番大事なのは、社員との丁寧な対話です。

人は、組織に不安を感じるとモチベーションが著しく下がります。

ですから、年収の変動が見えたら、それを元に一人ひとりと個別面談を行いましょう。

  • なぜこのような制度にしたのか

  • どこを評価しているのか

  • 今後どうすればもっと評価が上がるのか

こうした対話を重ねることが、社員のエンゲージメントを高め、制度の「形」ではなく「意味」を理解してもらうことにつながります。

最後に

制度は「使って育てていく」ものです。

完璧を目指すのではなく、まずは見える化し、対話を始めましょう。

新制度を通じて、社員と会社がともに未来を描ける。

そんな組織づくりを、いま一歩踏み出しませんか?

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