2025/6/22

昇給のタイミング、いつがベスト?

「昇給は春、4月が当たり前」。

そう思い込んでいませんか?

確かに、春闘や新年度の始まりのタイミングに合わせて、4月に昇給を設定する企業は多くあります。

でも、それが本当に「自社にとってベストなタイミング」かというと、必ずしもそうではありません。

私たち経営者が大切にすべきことは、「公平な評価」と「持続可能な昇給原資の確保」です。

そのためには、感覚や慣習ではなく、数字に基づいた合理的な判断が必要です。



■ 昇給は「決算後」がベストな理由

スタッフの1年間の働きぶりを正当に評価するには、当然「1年間の評価期間」が必要です。

例えば、3月決算の会社であれば、評価期間は前年度の4月から翌年3月までとするのが一般的でしょう。

でも、3月に決算が終わったばかりでは、会社の本当の業績はまだ見えていません。
決算書が完成するのは多くの場合、5月頃

昇給は、会社の経営成績と将来の支払余力を踏まえて判断するべきです。

つまり、昇給は決算書が出たあとに決めるのが正しい順序です。

■ 昇給は「〇月」がちょうどいい

3月決算の場合、決算書完成~分析・評価~昇給査定までを逆算すると、
7月昇給が最も自然で、合理的なタイミングになります。

  • 4月~3月:評価期間

  • 4月末~5月:評価集計・フィードバック

  • 5月~6月:決算書完成・経営状況の把握

  • 6月:昇給査定と役員承認

  • 7月:昇給反映

この流れであれば、評価と業績を両立させた「納得性ある昇給」が実現できます。

スタッフにとっても、「業績を見てしっかり評価してもらえている」という信頼につながります。




■ 慣習よりも、合理と納得の人事制度を

昇給タイミングを見直すことで、経営も人事も「筋が通った制度」に変わります。

制度に納得があれば、離職は減り、意欲は高まり、評価制度も活きてきます。

春闘のイメージに流されず、自社の業績と評価を正しく結びつけた昇給タイミングを。

それが、これからの経営に求められる「攻めの人事」です。

ご希望があれば、「評価制度と昇給ルールの見直し」の導入支援も行っています。

経営数字に強い人事制度の設計で、貴社の成長をサポートいたします。

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「坪島経営労務事務所は、社外の人事総務部として、社長の悩みや困り事を解決して、企業の健全な成長を支援します」