現在、クライアントさんで新基本給の移行をすすめています。
社長の強い希望により、例外としてAさんの基本給を大幅にアップすることになりました。
社労士「Aさんの諸手当と新基本給を見直し、新賃金基準をもとに組織等級に配置するとレベル9となります。こちらで問題ないでしょうか?」
社長「Aさんの仕事ぶりだとレベル9では無いような気がします。レベル8ぐらいになりますか?」
社員にとって賃金の見直しは大きなニュースであり、会社にとっては評価制度の刷新をアピールする絶好の機会です。
しかし、移行措置が不十分だと、制度変更の効果が半減するだけでなく、社員に誤解を与え、不満を招く可能性もあります。
特に基本給を大幅にアップさせる例外措置の対応策について、成功のポイントを解説します。
1. 現在の水準を正確に把握し、課題を洗い出す
新基本給表を導入する際、まず現時点の基本給や賞与、諸手当の構成を正確に分析することが重要です。
よくある課題:
- 基本給が低すぎる社員がいる
- 基本給の変更による賞与への影響
- 総支給額の急激な変動が懸念される
これらの課題を明確にし、解決策を準備しておくことが、スムーズな移行の第一歩です。
2. 新基本給の適用と調整の考え方
基本給が大幅にアップするケース では、以下のような方法で移行措置を進めます。
社員を格付けし、新基本給額を決定する
新基本給表に基づき、社員を現基本給で格付けし、適正な基本給を割り当てます。
基本給を社長の考える水準に引き上げる
現時点で基本給が低すぎる社員については、新制度の水準に合わせて引き上げを行います。この際、「総支給額を変えない」 ことを念頭に置きます。
諸手当を調整して差異を解消する
例えば、以下の方法で総支給額を調整します。今回では次の措置を講じています。
- 職務加算 を活用して基本給を増額
- 見込残業手当の見直し
- 役職関連手当の見直し
このように、基本給をアップさせつつ、諸手当を見直すことで、総支給額に変わらないように調整します。
3. 社員の納得を得るための取り組み
給与制度の変更は社員にとってセンシティブな問題です。特に基本給のアップに伴う手当の減額は、不満の種になりかねません。以下のポイントを押さえて対応しましょう。
制度変更の背景と目的を共有する
「会社としての成長を支えるために評価制度を刷新する」という明確なメッセージを伝えます。
個別面談で丁寧に説明する
特に基本給が大幅にアップする社員には、変更内容とそのメリットを直接説明する場を設けます。
移行措置期間を設ける
必要に応じて段階的に新制度へ移行することで、社員の負担を軽減します。
まとめ
基本給の大幅アップは、社員にとっても会社にとっても大きな変化です。
この機会を成功につなげるためには、社員が納得し、安心できる移行措置の設計が不可欠です。
社員のモチベーションを高め、会社の成長を支える人事評価制度を導入したいとお考えの社長の皆さま、ぜひご相談ください。
貴社に最適な移行措置と評価制度をご提案し、成功を全力でサポートいたします!