2025/1/13

社長のための「新基本給への移行措置」成功のポイント

新しい人事評価制度を導入する際、最も重要なのは 社員の理解と納得感 を得ることです。

その基盤となるのが、「新基本給表の移行措置」の適切な設計と運用です。

この記事では、移行措置の流れと、スムーズな運用のためのポイントを解説します。


1. 新基本給表の作成と格付け

新基本給表を策定した後、既存社員を現在の基本給に基づいて格付けします。

ポイント:

  • 新基本給への切り替えにより、移行原資がどのぐらい必要になるのか?
  • 新基本給の妥当性を検証する。

2. 移行手順

新基本給への移行には以下の手順を踏みます:

  • 同額の基本給が存在する場合:
    そのまま新基本給を適用します。

  • 同額の基本給が存在しない場合:
    直近上位の新基本給額を適用します。

このプロセスでは、現行の基本給額とのバランスを意識することが重要です。

特に賞与が基本給連動で支給されている場合は、基本給に大幅な変動があると、社員の不満が生じるリスクがあります。




3. 総支給額のチェックと調整

新基本給表への移行措置を進める中で、以下の点を確認してください:

  • 現行の基本給額と新しい新基本給額の差異を把握する。
  • 差異が大きすぎる場合、新基本給表の号俸や設定額を見直します。

また、基本給だけでなく、諸手当も含めた総支給額の比較も必要です。

この作業を怠ると、「給与の改定で手取りが減った」という誤解や不満を招く可能性があります。

4. 社員の納得を得るためのコミュニケーション

移行措置をスムーズに進めるには、社員とのコミュニケーションが不可欠です。
具体的には:

  • 移行措置の目的と新基本給表の意義を説明する場を設ける。
  • 個別面談を実施し、変更内容を丁寧に伝える。
  • 社員からの疑問や不安に迅速に対応する。

5. 成功のカギは「段階的な移行」

全社員が新基本給表にスムーズに移行できるよう、必要に応じて段階的な措置を講じるのも有効です。

例えば、短期間で大きな変動がある場合は、数年かけて調整する「経過措置」を設定し調整手当を支給することで社員の負担感を軽減できます。

まとめ

新基本給への移行措置は、単なる給与テーブルの変更ではなく、会社のビジョンを反映させた評価制度の導入 です。

そのためには、公平で透明性のあるプロセスと、社員への丁寧な説明が欠かせません。

社員が納得できる賃金制度を構築することは、離職率の低下やモチベーション向上に直結します。

新しい制度が企業成長を支える礎となるよう、しっかりと準備を進めましょう。

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