給与の決定は、社員のモチベーションを高めると共に、会社の経営を支える重要な戦略の一環です。
どうしても「業績を考えると給与は大きく上げられない」と言いたくなる事情はありますが、柔軟に変化する効率的な給与体系を構築することが大切です。
ここでは、給与設計で失敗しないための重要なポイントをお伝えします。
1.採用…業界の賃金相場と労務市場の競争力
業界の賃金相場と差が無いことは、会社が優秀な人材を獲得し、保持するために必要な要素です。
賃金が相場より低いと、人材の消失が担当の問題となることがあります。
また、業界の賃金は地域や就業市場の現状によっても大きく異なるため、毎年確認することが重要です。
2.定着…社内の賃金バランスと職務の重要度
社内の賃金バランスに注意することも重要です。
例えば、同じスキルではない人に同じ給与額を支給することは不公平と受けとられる可能性があり、モチベーションを低下させます。
3.コンプライアンス…最低賃金
ここ最近、最低賃金の急激な増加により、給与体系に大きな影響が生じています。
特に月給制の社員においては、最低賃金に抵触しても。気づかないままであることもあります。
4. 基本給、見込残業手当、仕事関連給与の比率設計
給与設計において、①基本給（主に年齢給、経験給で構成）と②見込残業手当、さらに③仕事関連給与（職務給、役職手当など）の比率をどのように設定するかは極めて重要です。
現在、依頼を受けて設計していますが、基本となる比率としては次のとおりです。
①基本給（主に年齢給、経験給で構成） 50％
②見込残業手当 20％
③仕事関連給与 30％
長時間残業の業界の場合、月45時間の見込残業手当を設定することになり、比率のバランスが崩れるケースがあります。
その場合は、社長と打ち合わせしながら、基本給と仕事関連給の比率を決定していきます。
未払残業代の問題もあり、多くの企業で見込残業手当を含めた形で給与設計を行っています。
まとめ
これらの1～4の要素をバランス良く組み込むことが、社員の納得感を得るための鍵となります。
比率の調整を行いながら、会社の財務状況と社員の期待を両立させる仕組みを構築しましょう。
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