2024/7/7

失敗しない労働トラブル対策 未払残業代請求

未払い残業代のトラブルは、多くの経営者が経験する可能性のある深刻な問題です。

未払い残業代の基本的な内容について詳しく解説します。


未払い残業代とは?

未払い残業代とは、スタッフが法定労働時間を超えて働いたにもかかわらず、その超過分の残業代が支払われないことを指します。

労働基準法では、法定労働時間は1日8時間、週40時間と定められています。

これを超える労働時間については、残業代(通常の賃金の1.25倍以上)の支払いが義務となります。

未払い残業代の原因

未払い残業代が発生する主な原因は以下の通りです。

  1. 過少処理: 会社が実際の労働時間を切り捨てて正しく処理しない場合。これが未払残業の原因となることがあります。

  2. 労働時間の管理不足: 会社が適切に労働時間を管理していない場合。タイムカードや出勤簿に始業時間、終業時間、休憩時間が記録されていない場合がこれに当たります。出勤したら”〇”を記載しているケースや勤務時間を記録していないケースも問題です。

  3. 口頭合意: 月給(基本給や営業手当など)に残業代を含めていると口頭で伝えている場合。この場合、会社が残業代を含めている証明ができない可能性が高く、未払い残業代を請求される可能性がたかくなります。店長だから残業代がつかないと伝えたり、「うちは年俸制だから月給に残業代を含む」と口頭で伝えていても、未払い残業代を請求されます。




未払い残業代の請求

未払い残業代を請求される場合は、次のケースが一般的です。

  1. 証拠: スタッフがタイムカードやシフト表、メールの送受信履歴など、実際の労働時間を証明するための証拠を集めます。

  2. 企業への通知: 未払いの残業代について、まずは企業に通知します。多くの場合、書面での通知が届きます。

  3. 労働基準監督署から通知: 会社が対応しない場合、労働基準監督署に相談します。労働基準監督署は調査を行い、会社に対して指導を行います。

  4. 裁判所への提訴: 弁護士に相談して、未払い残業代の請求を裁判所に提訴されることもあります。

未払い残業代の相場

未払い残業代の相場は、1企業当たり658万円です。

監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和2年度)

まとめ

未払い残業代は、以前は過去2年遡り請求でしたが、現在は過去3年遡りで請求されることもあり、企業にとって非常に大きなリスク(資金繰りに影響)となります。

違法行為を未然に防ぎ、労働環境の改善に努めることが鍵です。

未払残業代を請求されるような事態を避けるため、問題を予防することを意識し、適切な労務管理を行うことが求められます。

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