2025/11/29

スタッフ会議に参加して見えてきた課題

11月26日、14時から16時までクライアント企業のオフィスでスタッフミーティングに参加しました。

出席者は社長、管理者2名、一般スタッフ3名。

2時間の話し合いで、現場に潜む「長時間労働の実態」がはっきりと浮かび上がりました。

■ 長時間労働は“特定の人に仕事が偏る構造”から生まれていた

ミーティングの中心テーマは「長時間労働」

最初は、穏やかな雰囲気のなか「早く自宅に帰ると、奥さんから小言を言われるから、会社に遅くまで残っていたい」という冗談半分(本気半分)の発言もありました、

ヒアリングを重ねる中で分かったのは、長時間労働の原因が社員の頑張り不足ではなく、業務構造の偏りにありました。

特定の熟練スタッフにしかできない業務が集中しており、その人の残業が膨らみ、他のスタッフは手が出せない状態。

これはつまり——

属人化 = 会社の“隠れたリスク”

その人が辞めたら業務が止まる。
繁忙期に残業が増える。
新人が育たない。
ミスも増える。

社長にとって最も避けたい悪循環です。


■ 解決策は「業務の標準化」と「習熟計画」のセット

今回のミーティングでは、属人化対策として2つの大きな決定がなされました。

① 未習熟スタッフ2名を「特定業務」に戦略投入

対象の業務ごとに習熟度を 30点 → 100点 に引き上げる計画です。

ここで重要なのは、“とにかく教える”ではなく「業務ごとに点数で習熟度を測る」**という点。

点数という“ものさし”を導入したことで、
「教えた/教えてない」「できる/できない」の曖昧さが消えます。

② 完了期限は“4月末”。責任者も決定済み

「誰が」「何を」「いつまでに」やるか。

この3つが明確になっただけで、改善スピードは一気に加速します。

責任者を決めることは、単に担当を決めるだけではありません。

会社として、そのテーマを“必達事項”にする意思の表明です。

③ 定期的に進捗をチェックする仕組みも導入

計画だけでは改善は動きません。
今回、習熟度を“見える化”し、定期チェックをすることが決まりました。

これは社長にとって大きなメリットになります。

  • 誰がどこまで成長したか

  • どこでつまずいているか

  • 経営としてどの支援が必要か

経営判断がしやすくなり、現場も動きやすくなる。
まさに「戦略人事」の第一歩です。


■ 社長が動くと、現場も変わる

今回のミーティングで改めて感じたのは、社長が本気で改善に向き合うと、現場全体が前に進み始めるということです。

属人化を解消するという判断は、短期的には手間がかかります。
しかし、会社にとっては最大級の投資です。

なぜなら——
標準化は“生産性アップ・残業削減・離職防止”を同時に実現する最強の仕組みだからです。

今後、4月末の期限に向けて確実に改善が進めていきます。

現場に入り、一人ひとりの声を聞き、会社としての方向性を決めたこの2時間。
この時間こそ、長時間労働を根本から解決する「ターニングポイント」になります。

■ 最後に:属人化は「今すぐ着手すべき経営課題」です

もし御社でも
「長時間労働が減らない」
「特定の人しかできない業務がある」
「新人がなかなか育たない」
と感じているなら、今回のケースは大いに参考になります。

改善は“構造”を変えることから始まります。

そして構造を変えるのは、 社長の意思決定 です。

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