2024/6/29

失敗しない労働トラブル対策 労基署による企業名公表

労働基準監督署(労基署)による企業名の公表は、企業にとって非常に深刻な問題です。

これは、法令違反が確認され、企業の信頼性やイメージに大きなダメージを与えることを意味します。

広島県で企業名が公表された具体的について詳しく解説します。


公表された企業の事例

まず、労基署によって企業名が公表された具体的な事例を紹介します。

ケース1: 未払い残業代の発覚

ある中小企業では、従業員に対する残業代の未払いが常態化していました。労働者からの匿名の通報を受けた労基署が調査を行った結果、過去にさかのぼり多額の未払いが確認され、企業名が公表されました。この企業は、未払い賃金の支払いを命じられるとともに、社内の労務管理体制の見直しを強く求められました。

ケース2: 長時間労働

36協定の延長時間を超える違法な時間外労働が行われた場合、労基署が企業名を公表することがあります。具体的には、月100時間以上の時間外労働や、年720時間以上の時間外労働を行わせた企業が対象となります。企業名の公表は、労働者の健康管理と適正な労働環境の確保を目的としており、違法行為の抑止効果を期待しています。

ケース3 安全衛生の不備

製造業の企業では、安全衛生管理の不備が問題となり、労働災害が頻発していました。労基署の立ち入り調査の結果、安全装置の未設置や危険箇所の放置が確認され、企業名が公表されました。この企業は、即座に安全対策を講じるよう指示を受け、改善計画を提出することとなりました。

事例1.R5.10.20 広島県 (株)H  呉市 労働基準法32条違反
労働者4名に、36協定の延長時間を超 える違法な時間外労働を行わせたもの


事例2.R6.3.29広島県 個人事業B 広島市佐伯区 労働基準法第24条違反
労働者2名に、約3か月分の定期賃金 約124万円を支払わなかったもの



労基署による公表の影響

労基署による企業名の公表は、以下のような影響を及ぼします。

  1. イメージの低下: 公表により、企業の評判が一気に下がります。これにより、顧客や取引先からの信頼を失い、取引停止による売上が減少する可能性があります。
  2. 労働環境の見直し: 公表された企業は、労働環境や労務管理の徹底した見直しを余儀なくされます。これには、多額のコストがかかる場合もあります。
  3. 優秀な人材の確保の困難: 労基署による公表は、求職者に対してネガティブな印象を与えるため、優秀な人材の確保が難しくなることがあります。

まとめ

労基署による企業名の公表は、企業にとって非常に大きなリスクとなります。

違法行為を未然に防ぎ、労働環境の改善に努めることが、企業の信頼性を維持するための鍵です。

企業は、法令遵守を徹底し、労働者にとって安全で働きやすい環境を提供することを目指すべきです。

企業名が公表されるような事態を避けるため、常に労働法令を意識し、適切な労務管理を行うことが求められます。

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