2022/11/5

【決算書から作る】組織図の目的を決めてますか?


 

社長「子会社がずっと赤字が続いていて、事業を廃止しようか迷っています。

ただ、責任者の反発があってどうしたらいいですか?」

社労士「粗利益に対して固定費が上回っていて赤字の状態ですね。

固定費に対して黒字化する売上を提示しても、責任者は環境のせいにして2年間赤字のままなんですね。」

社長「はい、黒字化する見込はありません。」

1.赤字のまま放置してしまう事業

日本の中小企業の約7割は赤字と言われています。

赤字をそのまま放置していくのは、責任者の抵抗や赤字だからと言ってもすぐに倒産するわけでもないという事情があります。

ただ、長赤字が続けば倒産してしまう要因になりますので、資金繰りを改善させ黒字化させる戦略を立てていくべきでしょう

2.黒字化させるためには?

組織体制の見直しが必要です。

まず、組織図を見直します。

組織図を作っている企業はありますが、その目的が明確になっていないケースがよくあります。

ここでは、黒字化する組織図を作ります。

階層型組織図や部門別組織図、マトリクス型組織図のいずれかに基づいて作成します。



3.組織図に役割と責任を定義する

各役職でどのような役割・責任を果たせば、黒字化を達成できるかを定義化していきます。

これは、黒字化のためにどのようなタスクを必要としているのかというモデルにもなります。

(1)役割の定義

会社が黒字化に対して求める役割を定義していきます。

例えば、会社が定めた経営数値の目標達成などです。

社員に求める役割によって区分し、業務を遂行する際の基準となる制度です。

「会社がどのような役割を各役職に求めているのか」というモデルにもなります。


社労士「実際に定義化していくと、一般職が重い役割や責任を担っていることがあります。

そういわれてみるとどうしてだろうと、説明できない矛盾が出てくるので、これを機に整備していきます」


 (2)責任の程度

会社が成果に対して求める責任の程度を定義していきます。

例えば、ノルマ、転勤、配置転換、休日残業の有無などを明確に決定していきます。



4.組織図が完成したら


社員説明を実施します。赤字事業については組織図に合わせて、①~⑤のいずれかを実行していきます。

①期限を設けて黒字化計画

経常利益が出るように計画を立て、責任者に通知します。


②責任者の変更[降格人事)

顧客単価が上がらないなら、数で営業して損益分岐まで目指します。

組織改革は、幹部から見直すのが基本です。


③半数のスタッフを人手不足の関連会社に異動により固定費削減

粗利益に対して4分の1は経常利益が出る計算


④固定費削減(スタッフの賞与停止、給与一律カットなど)

⑤事業廃止

社労士「まず、話し合うことが基本です。個別面談で社員の言い分もしっかり聞いて下さい。

責任者の言い分を聞くとどうやって黒字化したらいいか分からないのに本部から追及されいやだという声もあります。

廃止する前にやれることはいろいろあるので、手を尽くしていきましょう!」


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