2022/7/9

【賃金設計】60歳以上従業員の最適賃金の決め方とは?


A社長 「来年定年になる社員がいるけど、給料をどのように決めたらいいんだろう…?」

社労士  「嘱託社員の賃金の決め方次第で会社にも本人にもプラスになる方法がありますよ!」

A社長   「え?会社も本人もプラス?」

社労士  「そうです。ただ、勤務年数や現在の雇用形態、給与額が大きく影響してきます」

●サラリーマンの税金

年収500万円ぐらいまでだと約20%が税金で引かれています。

従業員Bさんが年収500万円なら、119万円税金(控除無しのケース)で引かれてます。
ビジネスパーソンの働く意欲をごっそり削ぐ、税金「早見表」のパワーがヤバい
出典 税理士ドットコム

●サラリーマンの社会保険料負担

社会保険料は、収入の約15%引かれます。

そのため、従業員Bさんが年収500万円なら、年間約75万円社会保険料が引かれます。

同時に会社も75万円の社会保険料を負担して年金機構に支払っています。


年収都税、社会保険料負担率サラリーマン

出典 マネーの達人

●年金をもらい始めたら、カット?

A社長 「従業員Bさんは、これから年金をもらえるみたいだけど、カットとかあるの?」

社労士 「年金をもらい始めると、給与の額に応じて減額があります。令和4年4月に改正があって、例えば…

【 基本月額と総報酬月額相当額 の合計額が47万円以下のときは、年金減額なし】

基本月額というのは、老齢厚生年金の1か月あたりの金額です。

総報酬月額は、年収を12ヵ月で割ったときの金額です。

従業員Bさんは、年収500万円のままだと、総報酬月額が41.6万円で年金月額が5.3万円を超えると年金の減額が始まりますね。


●どのように対策したらいいの?

年金賃金シミュレーションによる賃金適正化(人件費適正化)を実施していきます。

年金受給開始年齢に到達した従業員について、年金受給額と高年齢雇用継続給付※を受給する前提として、賃金を見直しすることにより、年間人件費、税金、保険料を合理的に調整する方法です。

※高年齢雇用継続給付とは、ハローワークから従業員に直接支給される非課税の給付金です。支給期間は60歳から65歳までの5年間です。(2025年度より改正あり)


本人の手取りは変わりませんが、賃金減額に応じて出勤日数など労働条件を見直ししていきます。

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60歳前

60歳以降

(賃金設計後)

給与月額

300,000円

183,000円

老齢年金月額

0円

101,700円

高年齢者雇用継続給付

0円

27,450円

総収入合計

300,000円

312,150円

控除額合計

43,679円

32,298円

従業員様手取額

256,321

279,852

企業負担額

338,349円

215,298円


本人の手取りは変わらずに社会保険料を含む会社負担は100万円以上削減されることがあります。

助成金同様、年間100万円/人の削減は諸経費では容易に達成できない金額です。

●所長コメント

年金賃金シミュレーションによる賃金適正化を知りたい方はこちらからお問い合わせください。

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