2025/3/16

中小企業が採るべき賢い賃上げ戦略とは?

現在、企業の人材獲得競争は過熱しており、特に賃金面での競争が激化しています。

大手企業が実施するベースアップによって、その影響を受けているのが中小企業です。

さらに、既存社員と新規採用社員の賃金逆転の相談もあり、経営者としてどのような対策を講じるべきかが問われています。

大手企業と中小企業の賃金の違い、そして賃金逆転現象が引き起こす問題点とその解決策について解説します。

なお、定期昇給との違いは次のとおりです。

定期昇給…個人ごとに昇給が変動し、勤続年数や仕事の成果により決定

ベースアップ…従業員全員が一律で昇給し、会社の経営状況により決定

1. 大手企業のベースアップとその影響

昨今、業績が好調な大手企業は、社員へのベースアップを積極的に行っています。

ベースアップ回答額は平均して1万4575円

特に、IT業界や製造業などでは高い利益を背景に、従業員への報酬が引き上げられるケースが増えています。

こうしたベースアップは、大企業が人材を引き留めるための施策として有効ですが、同時に中小企業への影響も避けられません。

具体的には、以下の点が問題となっています。

  • 人材流出の加速: 大手企業の賃金アップにより、優秀な人材が中小企業から流出している。
  • 採用の難しさ: 特にスキルを持った若手社員が大手企業に引き寄せられ、中小企業では採用活動が困難になっている。


2. 中小企業の賃金構造の現実とその課題


中小企業は、大手企業のようにベースアップを行う余裕がない場合が多いため、賃金の上昇幅が限定的です。

しかし、それでも人材の確保は必要であり、賃金以外での差別化が求められます。

例えば、柔軟な勤務体系や企業文化、キャリアパスの明確化などがその例です。

さらに、賃金逆転現象も問題となっています。

3. 既存社員との賃金逆転現象

新たに採用した社員が、既存の社員よりも高い賃金を得ているという現象が中小企業でも見られます。

これが発生する背景としては、以下の理由が挙げられます。

  • 新規採用の市場価格: 特定の業界では、新卒や転職者の賃金が市場で高く評価されることがあり、その結果、既存社員との賃金格差が生じる。
  • 労働市場の需給バランス: 特定の職種における人材不足が影響しており、採用した社員に対して市場価値を反映した賃金が支払われている。

このような逆転現象が続くと、既存社員のモチベーション低下や離職を招くリスクがあります。

そのため、経営者としてはどのようにバランスを取るべきかを考える必要があります。

4. 中小企業が採るべき戦略とは?

中小企業が大手企業に対抗するために、賃金以外の魅力も打ち出すことが重要です。具体的な戦略は以下の通りです。

  • 賃金制度の見直し: 可能であれば、業績に応じたインセンティブ制度や、成果主義を取り入れ、既存社員への公平感を保つ。
  • 柔軟な働き方の提供: 在宅勤務やフレックスタイム制を導入し、ワークライフバランスを重視する。
  • キャリアアップの機会を提供: 小規模な企業だからこそ、社員に対する多様な経験を提供できる点をアピールする。
  • 福利厚生の強化: 健康診断や育児支援、保険制度、研修制度など、社員の生活全般に寄り添った福利厚生を充実させる。

まとめ:
賃金の差や逆転現象が起こりやすい現代において、経営者としての冷静な判断と柔軟な対応が求められます。

大手企業と比較して、賃金面で劣位にある中小企業でも、社員の成長機会や働きやすさを提供することで、十分に優れた人材を維持し、企業の成長を支えることが可能です。

社長として、今後の人材戦略をどう構築していくかが、企業の未来を決める重要な要素となるでしょう。

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