2022/1/16

【労務管理】なぜ、労働基準監督署は企業調査するのか?


「広島中央労働基準監督署というところから調査の書類が会社に届いたのですがどうしたらよいですか?」

社長から相談がありました。

ここでは、労働基準監督署の調査について整理します。

●そもそも労働基準監督署とは? 

労働基準監督署は、労働法関連(労働基準法や最低賃金法など)に違反が無いかを監視する機関です。

会社が最低賃金を下回って雇用したり、残業未払いがあれば、労働基準監督署は指導します。


●なぜ、労働基準監督署は調査をするのか?

勤務実態が分かる書面を提出させ実態調査を実施することで、
その会社が法違反をしているか否かを把握しするためです。

違反があれば、指導・是正勧告します。

調査には2種類あります。

内部告発による調査と定期調査(任意に調査対象を選択)があり、ここでは定期調査についてまとめます。


●定期調査の目的

主に
1.労働時間の管理(長時間労働・未払い賃金・休日勤務等)
2.安全衛生に関する事項(健康診断等)
3.有給休暇(年5日以上取得実績有無)

準備する書類は
就業規則、36協定、タイムカード、賃金台帳、労働条件通知書、有給休暇管理簿、健康診断資料など

●調査でどのようなことを聞かれるのか?

1.事業内容と社員、バイトの人数など事業規模の確認があります。

2.タイムカードにより長時間労働のチェックがあります。
特に長時間労働の社員及び繁忙期について詳細に調査が行われます。

3.賃金台帳 残業代未払いの有無について調査があります。
残業代や休日残業の未払いが無いかチェックされます。
就業規則と突合しながら、疑義がある未払いについて確認があります。
昨年、休日の支払いについて指摘がありましたが、就業規則に4週4休の定めがあったため、不問となりました。就業規則は会社の法律です。

4.健康診断の実施状況についてチェックが入ります。

5.年次有給休暇の取得状況について有給休暇管理簿をチェックされます。

●所長コメント

違反が発覚した場合、監督官より是正勧告書や指導票が発行され、期限まで改善し報告しなければなりません。

改善に応じなかった場合や調査に応じない悪質な場合は書類送検されるケースもあり、甘く見ない方がいいです。

ただ、書類送検や逮捕されるのは極めて稀なケースです。

労働基準監督署調査でのお困りごとは

こちらにご相談ください。

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