ハローワークなどで求人票を出すときにいくらぐらいの給料で募集をかけたらよいか相談を受けることがあります。ここで、中小企業が求人募集をかける際の賃金相場について整理します。どのくらいの賃金で募集をかけると中小企業にマッチするのでしょうか?
ハローワークの賃金相場
全国のハローワークの求人票のフルタイム勤務者の賃金を基準値として集計しています。
まず、広島県の全職種の平均賃金相場を見てみましょう。
2018年
1,129円(職種経験0年)
1,568円(職種経験5年)
1,846円(職種経験10年)
2019年
1,142円(職種経験0年)
1,562円(職種経験5年)
1,797円(職種経験10年)
※年収(残業を含まない)を年間総労総時間(2,080時間)で除して算出しています。賞与や固定残業手当を含みます。
2018年と2019年を比較
1.職種経験0年は前年より賃金が上がっています。これは、2018年広島県最低賃金844円から2019年広島県最低賃金871円、27円の引き上げの影響かと思います。
2.職種経験5年以上では賃金が前年を下回っています。求人の賃金相場は、需要と供給のバランスにより決まります。職種経験5年以上ともなれば、最低賃金の影響を受けるほど月給が低くないと思います。
実際に中小企業で求人募集する場合の賃金の設定はどう決めるのか?
自社と同じ職種で募集を掛けている求人票を調べて参考にしながら決定します。例えば、飲食業のホールスタッフの場合ですが、必要とする経験年数を次の数値を基準に決定して募集をかけます。
2019年飲食業
1,245円(職種経験0年) ~2,450円(職種経験20年)
例えば、未経験者を募集する場合は1,245円(時間給)×2080時間の年収を基準に求人募集月額を決めていきます。
ただ、既存の社員さんの賃金とのバランスを考えて募集する必要があります。求人票と自分の賃金を比較して不満につながる恐れがあるからです。あまりにも賃金差がある場合は、賃金テーブルを作成して整備することをオススメします。
所長コメント
求人の賃金を見たスタッフが社長に苦情を言ってきたケースがあります。社長はうまく説明できず、その社員は会社をさんざん批判した挙句退職していきました。また、中途採用時に前職の賃金を基準に給与額を決めるケースもよくあります。この場合も社内の賃金バランスが崩れ、問題となるケースがあります。給料は、不満足要因(それが不十分だとモチベーションは低下する)となるし、十分満たされていても満足要因(十分だとやる気になる)とは限らないとハーズバーグ氏も指摘しています。求人募集の際は、会社の給料の基準となる賃金テーブル表を整備しておくと無用なトラブル予防になります。
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