2026/11/3

なぜ、わが社は『結局、社長がやる』になるのか?

先日、顧問先で人事評価制度の説明会を行ったとき、社員さんからこんな質問がありました。

「うちのような会社は、1人がいろいろな仕事をしています。だから、役割(ランク)を分けて管理するやり方は合わない気がします」

確かに、中小企業ではよくある話です。

仕事がきれいに分かれている会社のほうが少ないでしょう。

そこで、私は逆に質問しました。

「今、組織の中で『人を育てる』『部下に指示する』『業績結果に責任を持つ』というマネジメントの役割を担っている人はいますか?」

答えは、明確ではありませんでした。

実は、ここが問題なのです。

「みんなでやる」は、責任感がない会社になりやすい

1人がいろいろな仕事をすること自体は、まったく問題ありません。

問題なのは、

「誰が、どこまで責任を持つのか」

が決まっていないことです。

社長からすると、
「そこは部長が考えてくれるだろう」

部長からすると、
「最終的には社長が決めるだろう」

社員からすると、
「誰に聞けばいいのか分からない」

こうなると、結局すべての判断が社長に戻ってきます。

社長がいつまでたっても現場から抜けられない会社は、仕事ではなく「役割」が整理されていないことが多いのです。

中小企業だからこそ「役割」を決める

役割制度は、仕事を細かく分けるための制度ではありません。

「あなたは何の仕事をする人ですか?」ではなく、

「あなたは会社の中で、どこまで責任を持つ人ですか?」

を明確にする仕組みです。

一般社員には、自分の仕事をきちんとやり切る役割。

リーダーには、自分だけでなく周囲を動かす役割。

管理職には、部門の数字や人材育成まで責任を持つ役割。

ここが明確になれば、給与についても、

「長く勤めているから高い」
「社長の評価が高いから上がった」

ではなく、

「担っている役割と責任が大きくなったから給与が上がった」

と説明できるようになります。

社長、何でも自分で決めていませんか?

社員がいろいろな仕事をしている会社ほど、役割を決める必要があります。

仕事を分けるのではありません。

責任を分けるのです。

社長がいつまでも、

「それ、どうなった?」
「誰がやるの?」
「結局、俺が決めないと進まない」

と言い続けているなら、社員の能力だけが原因ではないかもしれません。

「誰が、何に、どこまで責任を持つのか」という仕組みがないことが、本当の原因かもしれません。

人事制度をつくる目的は、社員に点数をつけることではありません。

社長が抱えている責任を少しずつ社員に渡し、社長がいなくても回る組織をつくること。

私は、そこに人事制度を導入する大きな意味があると考えています。

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