2026/10/11

会社の数字が「自分ごと」になった瞬間

先日、人事評価制度の説明会を終えた後、社長からこんな話がありました。

社長
「説明会ありがとうございました。前回の事業計画発表会のときはスタッフも好意的でしたが、いざ自分の給料や賞与が会社の業績(経常利益)と連動すると分かると、多少反発がありましたね…」

私
「そうですね。これは珍しいことではありません。ただ、少し気になったことがあります。出てきた意見の多くが『業績が下がったらどうなるのか?』という話で、『どうすれば業績を上げられるか?』という意見がほとんど出なかったことです。」


ここに、人事評価制度を導入する大きな意味があります。

これまでの月例会議では、

「今月の売上は○○万円でした」
「利益は○○万円でした」

と数字を報告し、みんなで共有して終わり。

社員からすれば、極端に言えば「会社の数字は社長の数字」だったのかもしれません。

しかし、これからは違います。

売上が上がる。
利益が増える。
会社に利益が残る。
その成果が賞与として社員にも還元される。

つまり、

「会社の数字=自分たちの給料・賞与につながる数字」

になります。

ここまで来て初めて、

「どうすれば売上を増やせるだろう?」
「この経費は本当に必要だろうか?」
「もっと効率よくできないだろうか?」
「お客様にもっと喜んでもらうには?」

という視点が生まれてきます。

人事評価制度というと、多くの社長は「社員を評価して給与を決める仕組み」だと思っています。

私は、それだけではないと考えています。

人事評価制度は、社員に会社の数字を「自分ごと」として考えてもらうための仕組みでもあります。

会社が儲かっても社員には関係ない。
会社が厳しくても社員には関係ない。

この状態で「もっと経営者意識を持ってほしい」と言っても、なかなか伝わりません。



大切なのは、

「会社の成長」と「社員のメリット」をつなげること。

会社が成長すれば、社員にも還元される。

だからこそ、毎月の会議で見る数字の意味が変わります。

ただ数字を「報告する会議」から、
「どうすればこの数字を良くできるかを考える会議」へ。

人事評価制度を導入する本当の目的は、給与を決めることではありません。

社員一人ひとりが会社の数字に関心を持ち、自分たちで会社を良くしていく組織をつくること。

制度導入直後に多少の反発があること自体は、必ずしも悪いことではありません。

むしろ、それまで他人事だった会社の数字が、初めて「自分ごと」になった証拠かもしれません。

人事評価制度は、作って終わりではありません。

制度をきっかけに、社員の目線を「自分の給料」から「会社の業績を上げて、自分たちの給料も上げる」へ変えていく。

そこからが、本当のスタートです。

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