2026/7/19

賃金トラブルでの相談

顧問先人事担当者からの相談
「賃金トラブルで相談があります。

正社員1名が7月より業務が変更になり、 これまでの週休2日シフト制の業務から土日祝休み日勤のみの業務に変更になり、 年間の稼働日数も変更になるため給与を減額したところ、従業員から不利益変更に当たるのではないかと指摘がありました。

こちらとしては、6月に従事していた業務が終了するにあたり、 業務①シフト制、給与条件は同様で遅番もある業務と②平日日勤のみの業務として給与額を提示しました。

遅番はライフスタイルに合わない為②の業務に異動すると回答があったため、納得して継続勤務したものと思っていたのですが不利益変更にあたるのでしょうか?」



今回のケースは、「給与が下がった=直ちに不利益変更」と判断できるものではありません。

この点は、人事労務の専門家でも判断を誤りやすいポイントです。

今回確認すべきなのは、同一業務である場合、月給が下がったかどうかではなく、「時間当たりの賃金が減額されているかどうか?」です。

今回の変更では、

  • これまで:週休2日シフト制(年間休日 105日)
  • 変更後:土日祝休み(日勤のみ・年間休日 平日祝日17日により122日)

となっており、年間の所定労働日数自体が減少しています。

そのため、次のように時間単価で比較する必要があります。

変更前

給与額÷(年間労働日数 × 8時間 ÷ 12か月)= 1168円/時間

変更後

給与鉑 ÷(年間労働日数 × 8時間 ÷ 12か月)=1203円/時間

この結果

  • 変更後>変更前

月給は減額されていても、年間休日の増加に伴って労働時間が減少した結果であり、時間当たりの賃金は上昇していることになります。

さらに、ご相談内容では、

  • 給与据え置き・シフト制(遅番あり)の業務
  • 平日日勤のみの業務

の2つを提示し、従業員ご本人がライフスタイルを理由に後者を選択されたとのことです。

この経緯が客観的な資料で確認できれば、会社が一方的に賃金を減額したというよりも、本人の選択・合意による労働条件の変更と評価される可能性があります。

したがって、本件は「月給が下がった」という事実だけで不利益変更と判断するのではなく、

  1. 時間当たりの賃金が実際に下がっているのか
  2. 本人が条件を理解したうえで合意しているのか

この2点を総合的に確認して判断することが重要です。

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