職員がインフルエンザにかかったら?


先日、ある医院の先生からご相談がありました。

「先日、職員がインフルエンザにかかり、自主的に休みましたが、私自身もインフルエンザ
にかかり2日間ほど休診しました。 職員の給与の扱いをどのようにしたらよいのでしょうか?
今回の件はワクチンを接種するよう言っていなかった僕の方に責任があると思いますし、
職員Aさんが38.5℃の熱があると報告を受けながら、本人が気合でがんばりますと言うので、
それに甘えて勤務させた自分に責任があると思いますので、今後はこういう事のない様に、
対応していきたいと思いますが‥」

 
                                         

さて、ご質問の件ですが、インフルエンザに罹患して休業した場合の賃金の取り扱いについて
ですが平成21年に厚生労働省より下記の通達(下段)が出ています。

 

 

結論から申しますと、職員がインフルエンザに罹患しており、主治医の判断により勤務不能の場合、

医院は休業手当(※休業手当とは、医院の都合で職員を休ませたときに支払う賃金のこと)を支払

う必要はありません。

今回のケースでは、職員が自主的に休んだとのことなので欠勤と同様の扱いとしても差し支えあり
ません。
ただし、職員側は「こっちだってかかりたくてインフルエンザにかかったわけじゃないし、働きたくても
働けないわけだから、その辺は医院が給料を保障してくれるでしょう?」
という思いが働く可能性があります。

まず、今回の件で患者さんに多大な迷惑が掛かっていることは事実なので、まず、職員が感染症
予防に努める必要があります。そこの認識があるか否かで給与の処遇の仕方に大きく影響してき
ます。

休業に係る給与処遇の話をする前に、職員に次のことを常に実施したかを確認しましょう。

①手洗い ②院内清掃 ③体調管理


さらに医院としてできる感染症予防対策として
①院内の湿度40%以上の維持
②予防接種
③クレベリンの配置

また、通達に「労働者が安心して休暇を取得できる体制を整えていただく」とあるので、職員の希
望を聞いたうえで処理(有給休暇または欠勤)してみてはいかがでしょうか?


以上の事柄(感染症予防及び感染症にかかった時の賃金の扱い)を就業規則に明記しておけば
職員側の理解のくい違いから起こるトラブルを未然に防げると思います。

 

 

※休業手当… 使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合は、使用者は休業期間中労働者に、

平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければなりません。

 

※参考 通達

Q. 新型インフルエンザに関連して労働者を休業させる場合、どのようなことに気をつければよいの
でしょうか。?

.

感染拡大防止の観点からは、感染又は感染の疑いがある場合には、保健所の要請等に従い外出を
自粛すること
その他感染拡大防止に努めることが重要ですが、その際、欠勤中の賃金の取扱いにつ
いては、労使で十分に話し合
っていただき、労働者が安心して休暇を取得できる体制を整えていただ
くようお願いします。

なお、賃金の支払の必要性の有無等については、個別事案ごとに諸事情を総合的に勘案すべきもの
ですが、法律上
、労働基準法第26条に定める休業手当を支払う必要性の有無については、一般的
には以下のように考えられます。

(※以下は現時点の状況を基にしており、今後の新型インフルエンザの流行状況等に応じて保健所
の要請等が変更
される可能性がありますのでご留意ください。)

 

(1)労働者が新型インフルエンザに感染したため休業させる場合

新型インフルエンザに感染しており、医師等による指導により労働者が休業する場合は、一般的には
「使用者の責に
帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要
はありません。

医師による指導等の範囲を超えて(外出自粛期間経過後など)休業させる場合には、一般的に「使用
者の責に帰すべ
き事由による休業」に当たり、休業手当を支払う必要があります。

 

(2)労働者に発熱などの症状があるため休業させる場合

新型インフルエンザかどうか分からない時点で、発熱などの症状があるため労働者が自主的に休む
場合は、通常の病
欠と同様に取り扱えば足りるものであり、病気休暇制度を活用すること等が考えら
れます。

一方、例えば熱が37度以上あることなど一定の症状があることのみをもって一律に労働者を休ませる
措置をとる場合
のように、使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰
すべき事由による休業」に当たり、
休業手当を支払う必要があります。

 

(3)感染者と近くで仕事をしていた労働者や同居する家族が感染した労働者を休業させる場合

感染者と近くで仕事をしていた労働者などの濃厚接触者でも、インフルエンザ様症状がない場合は

職務の継続が可能となると考えられます。職務の継続が可能である労働者について、使用者の自主的
判断で休業させる
場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たり、休業手当を
支払う必要があります。

なお、大規模な集団感染が疑われるケースなどで保健所等の指導により休業させる場合については、
一般的には「使用者
の責に帰すべき事由による休業」には該当しないと考えられますので、休業手当を
支払う必要はありません。