2018/8/7

同一労働同一賃金による助成金

先日、クライアントのスタッフさん(専門職パート)から社長に対して次のような意見がありました。

「以前から言っているように現在の時給設定には納得がいきません。手当の件も含めて再度検討ください。」

この方(Aさん)は、以前正社員(専門職)でしたが、本人希望で今年パートに切り替わりました。その際、今まで支給されていた手当が不支給になった点と時給の額に不満があるとのことです。

正社員からパートに切り替わるとき、社長から相談があり次の方法で計算し、契約を取り交わししています。
 
正社員の月給から役職手当等(パート時には役職業務から外れる)を控除し、1ヶ月所定労働時間数で除して時間給を算出しています。

この点を再度書面にて明示したところ、Aさんからは何も意見が出なくなりました。

このように、同一労働同一賃金の原則により同一の職務に従事し責任の重さや職種転換、転勤等の待遇に差が無ければ、正社員の1時間当たりの単価とパート時間給に差が生じないように気をつける必要があります。最高裁の判決の影響によりこの傾向は顕著になるのではないかと感じます。
 
ハマキョウレックス事件(最高裁 30.6.1判決)
契約社員と正社員との間に手当の支給に差があることは不合理である(労働契約法20条違反)という判決です。最高裁では、住宅手当以外の無事故手当、作業手当、給食手当、通勤手当、皆勤手当が契約社員に支給されていないのは不合理であるとしました。なお、契約社員と正社員との間には責任の程度に差は無く、就業規則に正社員は出向等転勤あるが、契約社員は無いと記載されていました。
 
中小企業にとってこのような課題を解決する手段として助成金があります。契約社員やパートに正社員に支給されている諸手当を導入するともらえる助成金があります。
①対象となるパート等に新たな手当等を支給する 38万円(48万)
②今回導入の手当のほかに追加で別の諸手当を(実際にスタッフに支給することが要件)申請すれば、38万(48万)とは別に16万×導入手当の数を受給できる可能性があります。

因みにこちらの企業では、この助成金申請の準備を進めているところです。

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